l_line2
nonenone
spcr r_line
01.頭と首
02.肩
05.胸と腹
06.腰03.肘
07.股関節と太股04.手首と指
08.膝
09.足:膝下
spcr
spcr
n03_b c_b  こ う し て お こ る [ 障 害 ]
spcrprevbacknext
spcr
  肘 の “ 障 害 ” は ど の よ う に 起 こ る ?



肘の内外反が繰り返されると、いろいろな障害が起こってきます。ここでは、代表的傷害であるテニス肘と野球肘を取り上げますが、その前に、なぜむりな内外反が障害の原因になるのか考えてみましょう。
【a:構造】の項でも説明しましたが、肘はちょうつがいのような関節で、屈伸しかできません。肘に外反力(内反力)が加わると肘の内側(外側)は引き離されるような、逆に外側(内側)は押しつぶされるような、力がかかります。
このような力がたびたびかかると、外反力の場合では、内側の靭帯が引き伸ばされて炎症を起こしたり、外側の軟骨を傷めたりします。とくに成長期の肘は、軟骨成分が多く、外力に対して弱いので注意が必要です。


[テニス肘]
テニス肘とは、フォアハンドで生じやすい内側型障害と、バックハンドで生じやすい外側型障害、さらに、まれにサーブで生ずる後方型障害とにわけられます。テニスボールのスピードは平均時速50kmといわれ、このボールを1回打つと、約20kgの物を持ち上げるのと同じくらいの負担が肘の筋肉にかかるとされています。テニスは見た目は優雅でも、肘にとっては過酷なスポーツなのです。

a:外側型テニス肘
バックハンドストロークにより生じやすい障害です。バックハンドストロークは、向かってくるボールに対して構えた状態(準備期)、インパクトの状態(加速期)、ラケットを振り切った状態(フォロースルー期)の3相からなります。
バックハンドは手首をそらせ、手のひらを少し上に向けた状態でボールを打ちますが、インパクトの瞬間にはこれとは逆方向に力が加わります。このとき、上腕骨外側上顆についている手首をそらせ、手のひらを上に向ける筋肉は、ボールの威力に負けずに腕の位置を保とうと一生懸命収縮しています。外側型テニス肘(上腕骨外側顆炎)とは、この動作がくりかえされることにより、外側上顆につく筋肉や腱に負担がかかり、炎症を起こしてしまった状態をいいます。
この障害はテニスプレイヤーだけでなく、日常よく手を使う人、たとえばピアニスト、タイピスト、主婦などにもみられます。

■外側型テニス肘のメカニズム
zu0306
a. 肘の外側の衝突による、成長のセンターの障害と軟骨の障害 b. 肘の内側の引っ張りによる、靱帯の障害と軟骨のずれによる障害

b:内側型テニス肘
フォアハンドストロークに関与する筋肉がついている、上腕骨の内側上顆にくりかえし過剰な力が働く事で生じる障害をまとめて、内側型テニス肘といい、内側上顆炎、内側上顆剥離骨折、内側側副靭帯損傷などが含まれます。障害のメカニズムは外側型テニス肘の場合と逆になります。


上腕骨内側上顆炎
上腕骨内側上顆の炎症です。オーバーユースが主な原因ですが、打ち方の変化(ドライブを強くかけるようになった)や、もともと外反が強い腕の形【a:構造/図4参照】なども、間接的原因になることがあります。
上腕骨内側上顆剥離骨折
上腕骨内側上顆についている腱が、筋肉の強い収縮とともに骨を引っぱるために、骨の一部がはがれてしまうことをいいます。
内側側副靭帯損傷
くりかえし外反方向にかかる力で、内側側副靭帯が徐々に伸ばされて損傷する場合と、加齢や使いすぎによって変性した靭帯が、ストローク動作で断裂を起こす場合とがあります。


c:後方型テニス肘
頻度は高くありませんが、サービスで生じる障害です。サービスのときに肘頭は肘頭窩にごつんごつんぶつかる動きをします。そのため肘頭に骨棘(骨の一部が棘のようにとがること)が作られたり遊離体(骨の一部が分離し関節の中に存在することで、いわゆる“関節ねずみ”)を生じたりします。ひどい場合は、肘頭の疲労骨折を起こしてしまいます。



[野球肘]
野球肘とは、たび重なる投球動作によって引き起こされる障害で、オーバーユースが原因です。

a:内側型野球肘
投球動作時に腕が前方に振り出されると、強い力が肘関節の外反方向に加わります(とくに足を踏みだしボールを投げ出すとき;アクセレレーション期)。さらに、ボールリリースからボールを投げ終わったとき(フォロースルー期)にかけて、手首は反らせた状態から曲げた状態へ、前腕は手のひらが外へ向くように捻れます。このような動作に関与する筋肉がついている、上腕骨の内側上顆にくりかえし過剰な力が働くことで生じる障害をまとめて、内側型野球肘といい、テニス肘同様、内側上顆炎、内側上顆剥離骨折、内側側副靭帯損傷などが含まれます。主な原因はオーバーユースですが、フォームの変化(肘が下がり手投げになった場合などは外反が強くなります)や、もともと外反が強い腕の形【a:構造/図4参照】なども間接的原因になることがあります。

b:外側型野球肘
投球動作の加速期にかかる外反力によって腕橈関節は押しつぶされ、フォロースルー期では橈骨が内側に回旋するので、ますます上腕骨につぶされる方向に押されます。それにより、上腕骨外側上顆についている筋肉や靭帯に負担がかかり、炎症や損傷(断裂や引き伸ばされること)を起こすことを外側型野球肘といいます。さらに、カーブなどの変化球を投げることで橈骨の回旋は増強され、外側型野球肘を進行させてしまいます。

c:後方型野球肘
アクセレレーション期での外反力強制と、そこからフォロースルー期での伸展強制によって、テニス肘同様、肘頭が肘頭窩にぶつかり、骨棘や遊離体ができてしまうことをいいます。